キャタラーの今から見える未来

まだまだ続く排ガス触媒の
ビジネスチャンス

キャタラーのコア事業である排ガス浄化触媒。
自動車の電動化が進み、業界に逆風が吹いているかと思いきや、将来にわたって追い風が吹き続けることが明らかだという。
排ガス触媒のニーズはなくならない?
これから求められる「1人ひとりに合った排ガス触媒」とは?
プラグインハイブリッド車向け触媒の特徴は?
このままキャタラーで働いて大丈夫?
未来を先取りした要素技術の確立を担う基盤技術開発部のメンバーに語ってもらいました。

キャタラーの今から見える未来

出席者紹介

成田

成田 慶一
基盤技術開発部 部長
ガソリン車向け触媒の開発・設計畑を歩み、2016年から現職。
大学時代から自動車用触媒を研究していた。大学の研究室がキャタラーと共同研究を実施していたことをきっかけに会社の存在を知り、担当教授から「自動車の触媒はまだまだやるべきことがある」とアドバイスを受け1998年入社。

大石

大石 隼輔
基盤技術開発部 担当員
触媒に使われる貴金属溶液の研究・開発を7年にわたって担当した後、3年前に現部署へ異動。
触媒の新技術開発・高度解析技術確立を担っている。
3人目の子ども誕生を機に、育児休暇を取得した。
部長曰く「仕事の守備範囲が広く、周囲の人への気配り気遣い心配りができる」

塚田

塚田 哲也
基盤技術開発部 入社2年目
触媒に使われる材料の開発に携わり、材料メーカーとの共同開発も行っている。
経験豊富な先輩と共に、将来シーズ創出に向けた新材料探索や開発部門のニーズに応じた新材料提案を担っている。
部長曰く「大学で習得してきた専門性と履歴書の写真から人柄の良さがにじみ出ていたので、この人と一緒に働きたいと思った」

基盤技術開発部が追究する3つのコア技術

キャタラーの今から見える未来

――基盤技術開発部のこれから求められるミッションと技術とは?

成田

私たちにとっての「コア技術」を定義づけるとすると、活性点となる貴金属加工技術、活性点の土台となる材料技術、それらを繋ぎ合わせる担持技術の3つと考えます。
つまり、反応を引き起こす貴金属(活性点)を創り、貴金属の活性を最大限引き出す材料を見極め、それら貴金属(活性点)を材料へしっかりと固定化する技術です。
この3つをコア技術として確立し、開発部門のニーズにいつでも応えられるようにしておくことが、私たちのミッションです。

成田

キャタラーの研究開発には大きく分けて4つのフェーズがあります。
第1に将来ニーズに対する技術ロードマップの整備、第2に技術ロードマップに基づいた要素技術開発、そして製品開発、最後に製品設計と続きます。
私たちの部は将来に備えて、5年後、10年後に必要となるニーズを先取りすること、将来必要となるニーズに対して要素技術を確立しておくことが求められています。

解析装置を駆使し、触媒の状態を観る

キャタラーの今から見える未来

大石

私の仕事は高度解析技術を確立することです。
様々な装置を使って出来上がりの触媒の状態を観察し、使用環境下で触媒がどのように働いているかを解析しています。
また、解析によってわかった事象や閃いたアイディアを更に深堀し、次世代の触媒や他用途に展開可能な技術へと育てていきます。

材料の特性を理解し、開発部門へ提案する

キャタラーの今から見える未来

塚田

私は触媒に使われる材料の開発を行っています。
開発部門から数多く寄せられる「このような材料がほしい」という要望に対応しています。
材料メーカーと開発した材料の長所や使い方を踏まえて当社の開発者に提案するような橋渡し役も担っていきたいと考えています。

排ガス浄化触媒の将来は?

キャタラーの今から見える未来

――排ガス触媒のニーズについて

成田

自動車の電動化が注目されています。
ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)はもちろん、電気だけで走る100%電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)が実用化し、自動車の動力源が多様化しています。
ここでは、消費者の選択肢が増える中で、キャタラーが成長させてもらっている理由をお話ししたいと思います。

成田

少し前の話ですが、私が入社した20年前は、新興国でモータリゼーションが始まると言われていた時代でした。
その結果、排ガス浄化触媒のニーズは高まることが分かっていました。
新興国の自動車数が増えるため、触媒が必要になるというだけではありません。
まず、先進国の排ガス規制がますます厳しくなり、より高度な技術を使った排ガス触媒が必要となります。
やがて、自動車が増えた新興国でも先進国並みの規制が必要となります。
結果として、新しい技術を注いだ触媒製品の生産量が拡大するという予想です。この予想は現実のものとなり、現在も排ガス触媒の追い風となっています。

大石

自動車自体の販売台数は伸びています。
その中で内燃機関のみで走行する車の比率は減っていきますが、内燃機関+電動化技術のようなHV, PHV車両が増加し総量として大きく減ることはありません。
内燃機関が残る限り、排ガス触媒はずっと必要です。
また、環境規制が厳しくなればなるほど、触媒はもっと必要とされます。
私たちはその未来に備えて、要素技術をタイムリーに提供できるようにしておくべきと考えます。

――排ガス触媒の進化を促す外部要因とは

成田

欧州では、実走行と台上試験の乖離をなくしていくため、2017年9月からは路上走行テスト(real driving emission; RDE)でのNOx測定値が台上試験の基準値の2.1倍に適合するよう求め、2020年1月からは同1.5倍に抑えるよう厳格化していきます。
さらにディーゼル排ガス問題を機に、路上走行時の排出ガス試験がより注目されるようになってきました。
RDEの導入により、自動車メーカーは排気ガス浄化レベルをより厳しく管理しながら、かつ厳しい燃費規制への対応に迫られます。
簡単に言えば、これまでは1つで良かった触媒が2つ必要になるかもしれませんし、2つで良いと考えて走行させてみたところ3つ目が必要になることも考えられます。

RDEを見据えた要素技術開発

キャタラーの今から見える未来

大石

RDEに対応するということは、様々な走行の状況を考えた排ガス対策が必要になるということです。
そのために、排ガスの流量が多くても、触媒が冷えていても、きちんと反応できる活性点をつくることや、適した材料の開発を進めています。

塚田

触媒の使用環境が厳しくなっても対応できるような材料の特性が必要になります。
ただ、これまでとは違った新たな視点を加えて、従来から良いとされている特性にプラスアルファを加えることがポイントと考えています。
キャタラーは充実した解析機器を保有しておりますので、その環境を活用して要素技術開発を進めています。

1人ひとりに合った排ガス浄化

キャタラーの今から見える未来

成田

これまでは決められたモードの排ガス測定を考えて触媒を設計してきたわけですが、実使用環境下では1人ひとりの運転方法により異なる排出状況を考えた排ガス浄化が求められます。
合わせて、ある基準以上の燃費も達成しなければならないので、私たちにとっては排ガス浄化と低燃費を両立する触媒が必要とされるということは、大きなビジネスチャンスが継続していくことになります。

大石

排ガス規制及び燃費規制ともにこれからも規制が厳しくなればなるほど排気ガス触媒の出番は増えます。
つまり、私たちの仕事のフィールドはますます広がります。

PHV向け触媒の難題に挑む

キャタラーの今から見える未来

成田

普及が始まったPHVは、60km/hrくらいはエンジンを使わずに走行できます。
走行中にバッテリー充電レベルが下がるとエンジンが始動しますが、その瞬間は排ガス触媒をつくる私たちにとって新たな使用環境となります。
一般的に排ガス触媒はある一定温度以上にならないと活性化温度に到達せず、満足な浄化性能を発揮することが出来ません。
PHVではまだ活性化温度に到達していない触媒に、エンジン走行時の排気ガスが多量に流入してくる環境が存在しますので、早期に排ガス触媒を活性化温度に到達させる暖機特性と高い浄化性能を発揮する低温活性を両立する技術が必要となります。
排ガス触媒に使う貴金属を増やせばこの技術課題は解決に近づきますが、それではコスト面での要求を満たせません。 引き続き、排ガス浄化性能とコストを両立したPHV向け触媒の開発を推進していきます。

世界的にGPFの需要が拡大

キャタラーの今から見える未来

大石

世界的なPN/PM規制に対応するためには、エンジンから排出される排出微粒子の捕集機能を持つガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)が必要です。
当社では、このGPFに三元触媒の浄化機能を付与したGPF触媒を開発しています。
使用環境下にあるGPF触媒を解析することによって、微粒子がフィルターにどのような状態で溜まっているかなどを知り、実際の使用状況に合ったGPF触媒を実現する要素技術、GPF触媒を開発して行きたいと考えます。

そんなに大変なら、EVにしてしまえばいい?

キャタラーの今から見える未来

成田

内燃機関を使い続けるのがそんなに大変なら、すべてEVにしてしまえばよいという考えもあると思います。
たしかに、消費者の意見に応える為に、様々な動力源を持つ自動車が選択肢として現れることは間違いありません。
しかし、EVで使う電気をどう発電するのかといった問題は潜在的に残ります。
やはり、エネルギーミックス(長期エネルギー需給見通し)とセットで未来のモビリティを考えるべきだと思います。

経験豊富な上司に導かれた入社1年目

キャタラーの今から見える未来

――社員の働き方

塚田

私の職場には知識が豊富で、いろいろな人たちに頼りにされている上司がいます。
1年目の私はその方についていくので精一杯でした。
しかし、大変な中でも仕事を割り振っていただき、ほどよく自由に仕事をさせてもらいました。
自分で考える時間も与えてもらい、私が至らない部分はきっちりとフォローしてくださいました。厳しすぎず、優しすぎずに育てていただいたと感謝しています。
上司は「この材料のここがいい」と伝えるだけでなく、「開発でこういう課題があるときは、この材料を使うといい」という提案ができる方です。
私はそこまではできませんが、わかる範囲で提案をするように心がけています。
私も研究開発を通じて自分自身が成長し、上司のようにみんなに頼りされるような研究者になりたいと考えます。

「5年で究める」と
決めた1年目

キャタラーの今から見える未来

大石

私は1年目から、貴金属溶液の開発という触媒の材料の中でも基礎的な分野を研究しました。
職場は解析装置がとても充実していて、楽しく仕事ができました。
共同開発先から新しい技術について話を聞けたり、講演会に参加できたりと、成長の環境が整っていました。
基礎的な分野なので、当初は5年で究めるつもりで精進しましたが、結局7年貴金属溶液の研究開発を続けました。
7年が過ぎ「更なる成長を」と思い、次は触媒を設計する部署に異動。そこでは活性点と排ガス浄化触媒の関係を徹底的に突き詰めたいと考えました。
1年目からは基礎的な分野を追究して知識を吸収し、7年目以降に製品化の分野に出て、それまでに蓄えた知識をもとに様々なことにチャレンジ、というステップを踏んできました。
現在は高度解析技術の確立から触媒のモノづくり・工法まで、広い視野を持って働けることに魅力を感じています。

塚田

私も部署を越えたキャリアパスを考えることがあります。
例えば、材料についての問い合わせを受ける中で、製品化を進める部署の事情をよくわかっていないと感じることがあります。
将来、要素技術の仕事を続けるにしても、一度は製品側に行って使う側の視点でモノを見る段階を踏まなければ、先輩方のような力は付かないと思っています。

1つを究めることは自信をつかむこと

キャタラーの今から見える未来

成田

1つの分野を究めるということは、大きな自信につながります。
その経験をした人は次に挑戦した分野で壁にぶつかったとしても、それまでのやり方プラスアルファで乗り越え、また自信をつけられます。
そうしてどんどん守備範囲を広げてくれます。だから、若手社員には「わかったぞ」という自信を早くつかんでほしいと思います。
私としては、若手が小さな自信を積み重ねて大きな自信を得られるように、研究のサイクルを少し小さくしてもよいかなと考えています。
早期に自信を得た若手社員が、例えば製品化の分野に進んだり、もっと要素技術を突き詰めたりと、それぞれの希望や成長に合わせてキャリアパスをイメージできるよう努めていきたいです。

2ヶ月の育休から得られたもの

キャタラーの今から見える未来

大石

働き方といえば、私は3人目の子どもが生まれたとき、2ヶ月間の育休を取得しました。
子どもが生まれる半問ほど前、育休について上司に相談したところ、快く了承していただきました。
育児休暇中の計画をチームで共有することで、チームのサポートを得ながら、育児休暇を取得できました。
育休を取得した理由は、上2人の世話をしながら乳児を育てる妻が大変なので、サポートしたいと思ったからです。2人目までは業務に追われ、子育ての時間が少ないと感じたため、今度はしっかりと面倒をみてあげたいと思ったこともあります。
毎朝、長女の弁当をつくって幼稚園に送り、家事をこなし、末っ子のミルクをつくって沐浴させ、幼稚園のお迎えに行って夕飯をつくる主夫をやりました。
子どもの日々の成長がよくわかり、子育て観が変わりました。
たくさんの本を読む時間も取れたため、自分の世界を広げられる有意義な時間を過ごせました。

「この技術は他にも使える」という
視点を持ちたい

――基盤技術開発部のこれから

大石

排ガス触媒はこれからもキャタラーのコア事業であり続けます。
同時に、その要素技術を燃料電池や活性炭をはじめとした他分野に使える技術にすることも、私たちの使命です。
そのような横展開を可能にする基盤技術を確立しておけば、20年先、30年先がさらに楽しみになります。だからこそ私はこの会社にいるわけです。

成田

私たちには今、外部環境に起因した追い風が吹いています。
しかし、自ら追い風を起こせているかというと、まだまだできていないと思います。
これからのキャタラーの新しい事業の柱を見つけるためにこれまでの事業領域、排ガス触媒を足掛かりに、「この技術は他分野にも使えるはずだ」という視点を持って、新たな研究フィールドを探索、事業創出に繋げていきたいと思います。

キャタラーの今から見える未来

ご協力いただいたお店

  • いいだしてっちゃん毎日ネタが違う新鮮な刺し盛り

いいだしてっちゃん 静岡県掛川市中央1丁目3−2 [ MAP ]

「季節の料理」が楽しめる掛川駅近くの隠れ家

この度、座談会の協力をいただいたお店は、掛川駅から徒歩で約3 分に位置する居酒屋『いいだしてっちゃん』さんです。
あまり紹介してほしくないという大将の依頼もあり、簡単なご紹介となりますが旬な野菜や新鮮な魚介が味わえる店です。
素材の味を生かした味付けで、キャタラーにも常連のスタッフが多くいます。週末は予約必須なお店ですので、気になる方はチェックしてみてください。

※掲載している内容はインタビュー当時のものであり、現在の状況とは異なっている場合があります。

メッセージ一覧

■ 過去3年の新卒採用者数・離職者数

〈 2022年度入社 〉 学部卒:3名、修士了:13名、博士了:1名 ※離職者なし
〈 2021年度入社 〉 学部卒:1名、修士了:15名、博士了:0名 ※離職者なし
〈 2020年度入社 〉 学部卒:2名、修士了:13名、博士了:0名 ※離職者なし

■ 過去3年の男女別新卒採用者数

〈 2022年入社 〉 男性:12名、女性:5名
〈 2021年入社 〉 男性:12名、女性:4名
〈 2020年入社 〉 男性:12名、女性:3名

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また、すべての応募者に対し、雇用や昇進の機会を提供するための積極的な行動を推進します。

株式会社キャタラー
〒437-1492 静岡県掛川市千浜7800
電話:0537-72-3131( 代表)FAX:0537-72-5647

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