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研究開発本部 先進材料開発部 FC開発室石田 貴信
2016年 新卒入社 信州大学大学院 理工学系研究科 卒
次世代の燃料電池(FC)を開発しています。
世界初の量産型燃料電池車「MIRAI」(トヨタ)を知っている方は多いと思いますが、あの車の先を行くFCをつくる仕事です。
FCの触媒には非常に高価な白金が使われているため、コスト低減のために白金の使用量をどこまで減らせるかが、課題です。次世代FCはこの点で大きく進歩しました。
また、白金を減らすと、水素と酸素の反応効率が下がる問題があります。次世代FCは反応性の向上というテーマにおいても成果を上げ、従来型よりも高いパワーを得られるようになりました。
将来のFCを開発するため、私がまず行っていることは、文献を調査したり、各分野の学会に参加したりして、最新の研究動向を知ることです。当社のFC開発に取り込めそうな研究に出会うと、それを会社に持ち帰り、トレース実験を行います。その結果、当社でさらに研究を深め、開発につなげることになった場合は、大学と共同研究契約を結ぶケースが多くなっています。
私は新卒採用の活動に関わったことがあるのですが、やはり「企業で先行開発や基礎研究をやりたい」という学生の方が多い印象を受けました。
私自身も大学院で燃料電池を研究し、就職しても研究開発に携わりたいと思ってキャタラーに入った1人です。そんな私の経験上、大学・大学院の研究をしっかりと行えた人は、企業の研究開発や生産技術部門等の仕事にも確実に取り組めると思います。学生・院生のうちに、実験計画やデータ確認など基礎的な仕事のリズムが身に付いているからかもしれません。
コスト低減をさらに進め、普及車に搭載できるほどの安いFCをつくることが、求められています。その実現につながるようなブレークスルーを目指し、研究を続けたいと思います。
燃料電池はさまざまな用途に使われますが、キャタラーとしてはこれからも、自動車向けのFC開発に取り組んでいく方針です。量産型FC車ではトヨタ自動車殿が先行しましたが、他メーカーの参入や技術提携が盛んになっているため、今後はキャタラーの技術が世界のFC車に活用されることも考えられます。次世代FCの開発は、本当に大きなやりがいのある仕事です。
大学院で燃料電池を研究した私でしたが、実はキャタラー入社時には、ガソリン用の三元触媒を研究したいと思っていました。というのも、内燃機関で走るスポーツカーが大好きだからです。
愛車はAE86ではない新しい方の86です。保安基準の範囲内での改造を楽しんでいて、会社の同僚とサーキットに行って走ることもあります。
平日の夜には、自動車レースやチューニングの動画を見たり、86のパーツをネットで探して「次はどのパーツを買おう」と悩んだりしています。
「キャタラーは働きやすい」という感想をよく聞きますが、その理由の1つは休みやすさだと思います。例えば、私が年次有給休暇を予定している日に打ち合わせが設定されても、「その日は年休なんです」と伝えれば、「わかった。ゆっくり休んでね」と言ってもらえる雰囲気です。
私も休日を利用して、大いにリフレッシュしています。テレビのクイズ番組に出演したこともあります。
※掲載している内容はインタビュー当時のものであり、現在の状況とは異なっている場合があります。