すべてのキャタラー製品の品質を司るのが、品質保証本部です。
決められた仕様通りの製品がつくられることを確認し、万一問題があれば、改善要請を出すことが、主な仕事です。
品質保証本部 品質管理部
林 清高
量産前の生産準備段階では、研究開発部や生産技術部と連携し、「保証をつくり上げる」ことが求められます。例えば、ある触媒のある機能が一定の範囲内にあれば、性能を維持できるということが、研究開発段階で決まっていたとします。品質管理部は「その範囲はどのように検討したのですか?」「統計的な裏付けはありますか?」などの疑問を投げかけ、各部署と議論します。その結果、客観的に説明できると判断できれば、問題はありません。もし品質管理部の担当者が理解できないポイントが見つかれば、「他にこのようなデータを取れませんか」と提案します。
次に、量産に移っても、お客様に承認された触媒を製造できるのかどうかを確認していきます。1個だけなら問題のない触媒をつくれても、100万個や200万個つくるとなると、話は違ってきます。製品の均一性、つまり、金太郎飴のように同じものを生産できることを、製品をサンプリングしながら調べていきます。
研究開発から生産準備、そして量産まで。どの段階でも不具合が発生した場合には、製造や生産技術の部署と一緒になって原因を探り、改善していくことになります。会社全体の人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくため、品質管理部の社員は製品の知識を幅広く身に付けています。
キャタラー製品に信頼を寄せてくださるお客様を向いて仕事をすることが、重要です。お客様を困らせる事態を未然に防ぐため、社内の関連部署に言うべきことは強く言わなければなりません。
製造段階では、規格には合格していても、「ちょっとおかしい」と微妙な問題に気づくことがあります。そのような問題の改善を何度か経験すると、「主張しなければ、良いものはできない」ということがよくわかります。そうなれば、他部署の先輩や責任者に対しても気後れせずにものを言えるようになりますよ。
また、他部署の人が聞きたくないことでもはっきりと伝え、その上で改善に向けてタッグを組んで仕事をするため、最終的には相手と本当に仲良くなれます。これも、品質保証本部で働く魅力の1つですね。
見方を変えれば、品質管理部だけでできる仕事は少なく、他部署の人たちにお願いして実施してもらう仕事が多いということ。それだけに、品質管理部というのは、リーダーシップや責任感のある方が大いに活躍できるフィールドではないでしょうか。
1970年に制定されたアメリカの大気浄化法改正法(マスキー法)など、日本の自動車産業の行方を左右する大きな課題に対し、トヨタ自動車殿と一体となって立ち向かってきたのが、キャタラーです。ですから、キャタラーの社員が「品質」と言うとき、それは「トヨタ品質」を指します。私も先輩たちから、「品質を見るときは、トヨタと同じ見方をするように」と教え込まれてきました。いま、当社が世界に通用する品質を達成し、維持できているのは、トヨタ品質を核心に据えているからだと思います。
■ 2016年 4月入社
■ 長谷川 俊介
※掲載している内容はインタビュー当時のものであり、現在の状況とは異なっている場合があります。