生産技術本部には、四輪用触媒を担当する第1生産技術部、二輪用触媒の第2生産技術部、そして施設部があります。
生産技術本部 第1生産技術部 生技開発室
青野 文紀
研究開発された製品を製造側に引き渡すことが、生産技術本部の主な仕事のひとつです。
例えば、研究開発本部が新しい自動車向け触媒を開発したとします。開発側は、要求される性能の実現という視点から、製造方法が指定されます。生産技術としては、その製造方法が既存の設備・工法によって生産可能かどうかを検討します。具体的には、工程設計室の担当者が工程計画書を作成し、生産設備の改造や新規開発が必要なら、設備設計室に依頼することになります。
開発されたばかりの製品の量産方法を自分の手でつくり上げ、量産が円滑にスタートしたときの達成感は、大きいですね。
また、生産技術本部では、海外工場の立ち上げに生産技術の専門部署として参加します。触媒を年間に数十万個も生産するような大型設備を海外工場に据え付け、生産が問題なくスタートするまでを担当します。施設部は、工場用地の選定、建屋の設計・建設、ガス・電気・排水等のユーティリティーを手がけます。
開発から製造への引き渡しがメインの業務ですから、関係部署とのコミュニケーションが重要です。特に、製造本部の技術部門とは情報共有を徹底。生産技術が考案した工程や、トライアルの実施結果をもとに頻繁に議論します。その結果、開発側が求める性能と、製造現場にとって無理なく安全な生産を両立させます。
生産技術本部では、まったく新しい製法・工法の開発も行っています。
私は、小型の生産設備をあらゆる場所に運び、触媒を生産するプロジェクトを担当しています。
最近では、熱処理工程のTBパイロット機が完成したばかり。触媒の熱処理は、4段階のプロセスに分かれるのですが、パイロット機では各プロセスを1つひとつのユニットにしました。これにより、ユニットの組み合わせ次第で、さまざまな工程や設備レイアウトを可能にしました。
生産技術本部の新入社員は、生産設備の基礎知識などを学びながら、先輩社員から具体的な業務を教わります。
例えば、工学部の機械系学科を卒業した人が設備設計室に配属された場合、まずは既存設備の改造を先輩と一緒に担当することが多いでしょう。1、2年ほどで改造を1人で任されるようになり、将来は大型生産設備の新規設計も任されることになります。
工学部の化学系出身者が工程設計室に配属されるケースでは、生産設備の立ち上げなどを先輩とともに経験し、入社2年目ほどで海外に出張することもあります。
生産技術本部では、若いうちから責任のある仕事を任されるため、自分を磨く努力が求められます。私が所属する第1生産技術部では、全部員が少なくとも年に1回、技術向上のための外部セミナーに参加することになっています。機械設計、電気設計、化学的な分野など、若い社員がそれぞれの得意分野を伸ばすためや、知らない知識を得るために頑張れる環境です。
■ 2016年 4月入社
■ 山本 恵太
※掲載している内容はインタビュー当時のものであり、現在の状況とは異なっている場合があります。