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定説にとらわれない発想と、 技術分野の壁を越えた連携で生まれた 革新的な材料。

定説にとらわれない発想と、 技術分野の壁を越えた連携で生まれた 革新的な材料。

「触媒の進化」が新たなステージに突入した。
キャタラーが量産化に成功し、2014年から順次トヨタ車に搭載されている触媒(14年触媒)は、排ガスの浄化反応を促す貴金属の使用量を最小限に抑え、NOx(ノックス:窒素酸化物)の排出量の大幅な低減を実現した。しかし、この「触媒の進化」は、性能を向上させたことよりも従来の開発手法を根底から覆す可能性を持つことで注目を浴びた。
触媒には、浄化反応を活性させるためCZ(セリア・ジルコニア)という物質が使われている。排ガスに含まれるエミッションを浄化するためには排ガスの酸素濃度調整が欠かせないが、CZが酸素を「素早く」吸蔵・放出することで触媒内の酸素濃度を調整し、触媒から出た浄化ガスの酸素濃度をO2センサがガソリン噴射システムにフィードバックする。浄化ガスの酸素濃度が「濃いから薄くしろ」「薄いから濃くしろ」という信号を継続的に送ることで、常に最適な排ガス条件にしているのだ。そのため、従来はCZの酸素反応速度も「速いほど良い」とされていた。だがこの新たな触媒には、反応速度の『遅いCZ』が使われているのだ。
最先端の技術トレンドに真っ向から逆らうように誕生したこの触媒は、実は、異なるシーズとニーズがタイミングよく出会ったことで生まれた製品なのである。それは、キャタラーの新たな材料に対する「探究心」と、顧客ニーズを具現化する「挑戦心」、またそのふたつを製品に落とし込む高度な「モノづくり力」があったからこそ実現したと言える。

「触媒の進化」が新たなステージに突入した。

“14年触媒”の検討は、2009年頃から始まったが、ブレイクスルーの萌芽となる材料開発は、 その10年以上前から進められていた。

未知の現象と、
メカニズムの解明。

メカニズムの解明。

前モデルは、それ以前のモデルに対して使用するある貴金属種の量を半減し、尚且つ性能を向上させたものだ。14年触媒に向けさらに貴金属量を低減させるため、尾上は実排気ガスを用いて触媒の評価をしていたが、ある特定の条件下において窒素酸化物(NOx)が出やすいという課題が生まれた。
「触媒の内部は、前側でHC(ハイドロカーボン)を浄化し、後ろ側でNOxを浄化する構造になっています。その状況を再現するため、状態の異なる二つの触媒を直列に並べ、その組み合わせによって触媒内部がどのような挙動を示すかをテストしました。すると、後ろ側に浄化性能の悪い触媒を置くことで、浄化性能の良い触媒を並べたものよりNOxエミッションが減っていることが確認できたのです」
尾上は、この瞬間を「来た、これだ!」と確信したと振り返る。しかし、現象を捉えてもそのメカニズムは不明だった。
「後に解明したことですが、CZの容量を超える酸素が流入すると、貴金属が酸化されて触媒の活性が失われます。これがNOxが排出される原因となっており、そこに反応速度の『遅いCZ』を用いることで時間差が生じ、処理しきれなかったNOxを浄化できるのです」。尾上は、数々の試験方法を検討する中で、浄化性能の悪い触媒から『遅い』反応速度を抽出し、そうした原理が有りうるという感触を得ていた。
そこで『遅いCZ』を入れた触媒の開発を依頼したところ、意外な答えが返ってきた。その触媒が既にあるというのだ。『速いCZ』が追求される中、なぜそれが開発されていたのか。
その経緯は後に触れるが、調査を開始した尾上は、この新素材にも振り回されることとなった。

「そもそも『早いCZ』が求められている中で、『遅いCZ』の試験を依頼すれば、誰しもが『なぜ?』という疑問からのスタートでした。また新素材であるため、最初から良い結果が出るわけもなく、使えない素材というイメージが定着してしまったのです。そんな中で、CZの組成を少し変えてみたところ、他の材料では見られないほどの変化が見られ、驚くほどに性能が向上することが分かりました」
この可能性に満ちた新しい材料を絶対にモノにしてみせる。尾上は、そんな想いでメンバーたちを説いていった。

使い道の見つからない新素材と、
新たなニーズ。

使い道の見つからない新素材と、新たなニーズ。

14年触媒の開発プロジェクトが立ち上がる10年以上前、トヨタグループの研究機関である豊田中央研究所殿ではパイロクロア型と呼ばれる結晶構造のCZを触媒に活かす基礎検討が行われていた。この段階での評価では、初期性能で可能性が見込めたものの耐熱性に課題があった。そこでキャタラーとの共同研究を行うこととなり、千葉に白羽の矢が立ったのだ。
「パイロクロアという構造はCZを1200℃以上という高温で焼成することで得られますが、触媒使用条件における構造安定性に課題がありました」
そこでセラミックスの焼成技術からヒントを得て、プレス工程を加えより高温で焼成することでこれらの問題をクリアした。この時点で豊田中央研究所殿と共同で特許を出願していたが、酸化反応速度が遅いため触媒としてのニーズがなく、一時棚上げ状態の技術となっていた。
数年後、今度はトヨタ自動車殿の東富士研究所の先端材料部門から、14年触媒の材料候補として、パイロクロア型CZを検討したいとの声がかかった。尾上らと同様に、奇しくも『遅いCZ』の可能性に気づいていたのだ。そして、パイロクロア型CZはpCP(persistent Ceria-Zirconia Pyrochlore type solid solution)と名付けられ、3社間の共同開発プロジェクトが立ち上がった。

「最も大変だったのは、1200℃以上というこれまでの触媒材料では扱わない温度域を量産で実現することでした。度々想定外の反応が起こり焼成条件設定に関しては試行錯誤の連続で、対応できる設備があるのかどうかも不明でした」
それは成型でも同じことが言えた。プレス形状や圧力による性能差を無くし、いかにして安定したものを安く造り出すか、すべてが手さぐりであり千葉は協力してくれる設備メーカーや受託会社を求め、およそ1年間、国内を飛び回った。そうして良品条件を絞り込み、pCPを量産可能な材料へと作り上げていった。

顧客との信頼関係と、
さらなる高みを目指す
開発マインド。

さらなる高みを目指す開発マインド。

14年触媒の開発プロジェクトが立ち上がる10年以上前、トヨタグループの研究機関である豊田中央研究所殿ではパイロクロア型と呼ばれる結晶構造のCZを触媒に活かす基礎検討が行われていた。この段階での評価では、初期性能で可能性が見込めたものの耐熱性に課題があった。そこでキャタラーとの共同研究を行うこととなり、千葉に白羽の矢が立ったのだ。
「パイロクロアという構造はCZを1200℃以上という高温で焼成することで得られますが、触媒使用条件における構造安定性に課題がありました」
そこでセラミックスの焼成技術からヒントを得て、プレス工程を加えより高温で焼成することでこれらの問題をクリアした。この時点で豊田中央研究所殿と共同で特許を出願していたが、酸化反応速度が遅いため触媒としてのニーズがなく、一時棚上げ状態の技術となっていた。
数年後、今度はトヨタ自動車殿の東富士研究所の先端材料部門から、14年触媒の材料候補として、パイロクロア型CZを検討したいとの声がかかった。尾上らと同様に、奇しくも『遅いCZ』の可能性に気づいていたのだ。そして、パイロクロア型CZはpCP(persistent Ceria-Zirconia Pyrochlore type solid solution)と名付けられ、3社間の共同開発プロジェクトが立ち上がった。

「自動車メーカーのニーズを満たすだけでなく、スタンスとしては常にその先を目指しています」と。
このpCPという、材料が10年以上の年月を経て実用化されたのも、先を見据えたシーズの研究があったからであり、触媒・材料・排気システムが「三位一体」となってプロジェクトを推進したからであろう。

2015年3月、このプロジェクトは、触媒材料開発の分野に一石を投じ、 既成の材料概念を変え得る可能性を秘めているとして、 豊田中央研究所殿、トヨタ自動車殿と共同で 日本化学会化学技術賞を受賞した。

日本化学会化学技術賞を受賞した。

※掲載している内容はインタビュー当時のものであり、現在の状況とは異なっている場合があります。

ストーリー一覧

■ 過去3年の新卒採用者数・離職者数

〈 2016年入社〉 学部卒:3名 院卒:13名 ※離職者:なし
〈 2015年入社〉 学部卒:4名 院卒:  9名 ※離職者:なし
〈 2014年入社〉 学部卒:3名 院卒:13名 ※離職者:1名

■ 過去3年の男女別新卒採用者数

〈 2016年入社〉 男性:13名 女性:3名
〈 2015年入社〉 男性:12名 女性:1名
〈 2014年入社〉 男性:15名 女性:2名

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